包丁の焼入れとは

 

焼入れのお話
 鋼は730度に加熱してから水や脂にいれ、急冷すると、硬さが3から4倍になります。

この処理を焼入れといいます。

しかし、このままでは、硬くて良くきれますが、衝撃に弱く、かけたり、割れたりしやすいのです。

 次に、200度に加熱してから自然冷却すると、粘りがでて、強くなります。これが焼き戻しです。

 ステンレス鋼の場合は950度以上に熱し、自然冷却すると、焼入れができます。この場合、8割がたは焼入れができますが、残りは、焼入れまえの状態のままです。残り2割を焼入れの状態にするのに、サブゼロ処理をします。つまり、マイナス80度に冷却すると、完全な焼入れ状態となります。
  焼入れには水のなかに入れる水焼きと油の中の入れる油焼き、空気中に放置する空気焼きがあります。包丁や材質に適した焼入れをおこないます。

 最適な焼入れをするためには気温やしつど、材質によって加熱する温度を微妙に変える必要があります。刻々と変わる温度や湿度を数値化し、これに対応する時間を割り出す事は、技術的にも不可能で、今だに、職人の経験とカンに頼らざるを得ないのです。