包丁は生涯は使えません。

 この包丁は生涯使えます。と言って高い包丁を買ったそうです。リンゴを半分に切るとき、切れないのはなぜでしょうか?本日来られたお客様で、70歳くらいの方で、力もないので、うまく切れないとのことです。30年くらい使ってます。とのことです。

 この包丁は割り込み包丁で、何回も研いで、1センチ以上すりへっていました。この割込み包丁とは中心が切れる鋼で、両脇にステンレスでサンドイッチにしてあるのです。このために、どうしても刃の厚みが厚くなるのです。しかも刃先の方まで厚いのです。そのため、固いものを切る場合は、どうしても力が要るのです。新品のうちはいいのですが、5ミリほど減るとかなり刃の幅が厚くなります。このくらいになるとキレ味はぐっと落ちます(固いものを切った場合)。買い替えてもいい時期です。包丁を売る人は、高額になればなるほど、10年切れますとか生涯使えますとか無責任なことを言いがちです。こういう包丁は絶対にありません。10年切れ味が落ちませんなどとセールスポイントにしているところは詐欺です。

 洋包丁は、毎日のように研げば2~3年が寿命です。家庭用でも10~15年くらいが寿命(まずまずよい切れ味で使える)と考えていただきたいと思います。これ以上でも使えますが、切れ味はかなり落ちてきます。

 古いものを大切にすることはよいことですが、物には寿命があります。

 奥さんを大切にすることはよいことです。私の精力には寿命があります。