新しい介護のかたちは単身赴任です。6

 いよいよ新しい旅立ちです。旅立ちと言えば映画「送り人」の洋題が「旅立ち(ディパーチャー)」です。何か共通するところもあると思います。別れには哀愁と郷愁が漂うものです。

以前から用意をしていた荷物お積み込み、いよいよ出発の時、子供の顔も、奥さんの顔も、なんとなく嬉しそうで、晴々しているのです。普通なら長き別れを悲しみながら作り笑顔を浮かべ、涙のひとつも浮かべながら出発するものを、なんとなくウキウキしているような気さえします。

 まさか、目的はそっちだったか? いやいや、そんなことはあるまいと強く心に言い聞かせ送り出した次第です。

 1カ月ほど前、当の本人(新潟のおばあちゃん)にこの件(奥さんと下の子が面倒をみるため新潟に行くということ)を伝えに行きました。するとどうでしょう、おばあちゃんはしゃきっとして断固反対をするのです。一緒に来るなら大歓迎だが、夫婦が別居して生活することは絶対にいけないことでお断りします。としっかり、はっきり断るのです。自分は1人で十分に生活ができるので大丈夫と言い張るのです。明日になれば覚えているかも疑問ですが、立場的にも「頼みます」とも言いにくいことだろうと思い、はいはいと言って戻りました。

 新潟のおばあちゃんは毎日ヘルパーさんに来ていただき、掃除や食事の世話をしてもらってます。われわれが新潟に挨拶に行った1カ月前は、おばあちゃんが平塚の長男宅に行ってきて帰ったばかりだったのです。上げ膳据え膳の三食と身内と一緒に食べられる食事はよほど美味しく食べられたのでしょう。普段よりはるかに元気で、頭も快調だったのです。こんなにも変わるものかと思われるほどです。

 さてさて、これから新しい生活です。期待と不安があるから良いのでしょうか。現在の状態を変える事で、現状の良さを認識でき、現状にない良さに期待ができるのかも!

どうなる事か、ひとり不安を抱えつつ、次回また!