包丁の材質は種類が多い

 包丁の鋼材は何でしょうか?

 

産業革命以来、産業の発展はて鉄の発展と言ってもよいと思います。

鉄とはどういうものでしょうか?

軟鉄   炭素が0.1%以下は軟鉄、

鋼    鉄に炭素が0.12.7%含まれたもの

鋳鉄   炭素が2.7%以上は鋳鉄

たったこれだけで性質は全く違ったものになります。

用途としてはその性質にしたがって

農具、工具、武器、建築などの資材、工材、重機、自動車、部品その他

特に日立金属が取り扱いをしている特殊鋼材だけでも下記の種類があります。

エネルギー用部品・材料

IT機器用材料・部品

EMC・ノイズ対策部品・材料
電源部品

 マグネット

ディスプレイ用部品・材料
コンピュータ・半導体IC用・装置・部品・材料 

自動車用部品・材料

 配管・設備機器部材
圧延用ロール

航空・宇宙機器・原子力用材料

高級工具鋼

 

この中の高級刃物鋼には

ダイカスト金型用鋼

新世代ダイカスト金型用鋼 DAC-MAGIC®

熱間押出しダイス材/押出し工具

鍛造金型用鋼

プラスチック金型用鋼

新世代汎用プラスチック金型用鋼 HPM-MAGIC®

冷間金型用鋼

高性能冷間ダイス鋼 SLDMAGIC

切削工具用材料

高級刃物鋼

高機能表面処理Tribec®(トライベック)シリーズ

とこれだけの種類があり、その中の高級刃物鋼の中には

刃物鋼には下記の4種類があります。

1炭素鋼(Carbon Steel)
炭素鋼は鉄と少量の炭素で作られています。炭素鋼は含まれる炭素量で、低炭素鋼、中炭素 鉄鋼、高炭素鋼、及び非常に高い炭素鋼の4つに分類されます。低炭素鋼は0.05%から0.3%の炭素を含んでいます。 中型炭素鋼は0.3%から0.5%の炭素を含んでいます、そして、高炭素鋼は0.5%から0.95%の炭素を含んでいます、そして、非常に高い炭素鋼は0.96%から2.1%の炭素を含んでいます。 高炭素鋼は、刃物を作るために最も広く使用された炭素鋼で、熱処理により硬度と靱性の良いバランスを維持できますが。焼き入れにより硬度はステンレス鋼より高くでき良いエッジを保持できますが、錆に弱いと言う欠点があります。

2ステンレス鋼(Stainless Steel)
ステンレス鋼は鉄と少量の炭素に、クロム、バナジウム、モリブデン、タングステンやニッケルなどが加えられ作られています。これらの要素が鉄と炭素に加えられると耐食性が増加し、加えられる量により異なった性質のステンレス鋼が形成されます。高い炭素含有量はエッジ保持を増加させるのに必要で、高炭素ステンレスは、刃物鋼として広く使われています。炭素鋼ほど硬度は高くなりませんが、通常使うには十分な硬度にすることができます。

3粉末冶金鋼(Powder Metallurgy Steel)
粉末冶金鋼は、インゴットから急冷し粉末に凝固させられた金属の粉末を型に入れ、粉末成形プレスで圧力をかけ固め、それを焼結炉で、金属の粉末が溶けない温度で焼き、粉を焼結させます。従来の工程で作り出された鉄鋼と比べて、カーバイドを減少させ結晶粒度を微細化させ、強度、エッジ保持、および研削性に優れています。本来、粉末成形で部品を造り使用する目的のため、成形後の加工が困難です。

4複合鋼(Composite steel)
複合鋼は、複数の材料を圧接や鍛接により1つの部材とした鋼を言います。その代表的な物が日本刀です。 日本刀は、玉鋼・銑鉄・包丁鉄の3種類を積み上げ加熱し小槌で叩いて鍛接します。そのときの配合は、含有炭素量が異なる心金(しんがね)、棟金(むねがね)、刃金(はのかね)、側金(がわがね)4種類に作り分けされ、厚さ20mm、幅40mm、長さ90mm程度の鋼にします。 四方詰鍛えの造込みでは、側金、芯金、側金の順で重ね、鍛接します。厚さ15mm、幅30mm、長さ500600mm程度に打ち伸ばされ、刀の握り部分になる、茎(なかご)が鍛接され刀の形に打ち延ばされます。多くの和包丁や、現在のダマスカスと呼ばれる鋼も複合鋼です。

 

具体的種類の名前は

日立金属が生産しているものは

白紙1号、白紙2号白紙3号、白紙の鋸材、黄紙2号、青紙1号、青紙2号、青紙スーパー、

Kk,銀紙1号、銀紙3号、銀紙5号、ATS34,,DZP189  などの種類があります。

これらは刃物鋼ととしては1部で、このほか、他メーカーではいろいろな種類の刃物工材が販売されています。

上記 のほかV金シリーズ、D2鋼、AUS-68、モリブデン鋼、SUS-440C、スウェーデン鋼、

ダマスカス鋼などなど、クロモセブン、COSー25(シャガール)、440CP(カウリY)、RT006(カウリX)154CM

などなどがあります。

高級刃物と言えばナイフに使われることが多く、それから包丁に使用されてきます。

包丁に使う場合はナイフとは特性が少し違います。

つまり、より鋭い切れ味、錆びても可、鍛造が可能、使用分量が多いなど

一般的にはナイフに高級材が使われるこのが多い。

ナイフに使う鋼は基本ステンレス系で錆びないものです。

このステンレス鋼はいろいろな元素を加えることで、いろいろなちがう性質が出ます。この合金はまだ開う発途中です。種類も数多く開発されています。

これらの鋼材には日立をはじめ、武生製鉄、愛知製鋼、スエーデン鋼、アメリカ鋼などがありますが、その他、いろいろなメーカーがいろいろな合金を制作しています。

鉄にクロム、バナジウム、モリブデン、タングステンやニッケルなどの元素を加えるとさまざまな性質が違ったものになります。その他の新たな元素を加えると新しい合金ができる可能性があり、今後の開発に期待されます。

また、粉末ハイス鋼というのは製法を変えた合金で、この中には10種類程度、他メーカーでも10種類程度種類の違う鋼材があります。カウリX、ZDP-189、R2,CPM15、CPM-S30V、S30V、HAP40などは高級刃物鋼材として有名です。

包丁のメーカーでも克明に使用鋼の品種まで告知しているところは少なく、企業秘密にしているところが多いです。総称で超合金という名称で販売しています。

刃物の木屋でも粉末ハイス鋼は超高級刃物鋼材と位置づけ、自社の最高級ブランドである団十郎に使用している鋼材は粉末ハイス鋼とは明記していますが、その種類までは書いていません。