包丁は作り手によって少しづつ違う

 同じ包丁を買ったのですが、形が違うといわれるお客様がありました。

スーパーの魚屋さんです。魚屋さんはほぼ毎日包丁を研ぎます。2~3年で二回りほど小さくなります。新しい包丁にしたら、少し形が違うのです。同じ包丁なのに少し違うのです。

手打ちの和包丁は洋包丁と違い、1本1本手作りです。ごくごく微妙に違いはありますが、そこは熟練の職人です。コンマ数ミリ程度です。見た目に違うことはありません。

見た目に形が違うとするなら、研ぎ師が変わったことが考えられます。研ぎ師も高齢化で、つぎ世代が少ないのが悩みですが、個人個人によって少しづつ違うことがあります。研ぎ師それぞれの考え方の違いです。

通常、経験年数の長い研ぎ師程、高級な包丁を作成しています。経験の浅い研ぎ師は低価格品からスタートするのです。キャリアと技術が増すほどいい包丁を研ぐことができます。

いずれにしても、手打ちの包丁はすべて、1本1本、心をこめて作った、わが子のような存在です。ご愛用の程よろしくお願い申し上げます。

deba.jpg