包丁のお話し 5  切れ味

切れ味

トマトを切ってくずれたことはありませんか。玉ネギのみじん切りで泣かされたことはありませんか。これらは すべて切れない包丁の責任です。 切れない包丁を使うと、切り口によけいな力が加わるので、食品の細胞がその 部分だけくずれやすくなるためです。 玉ネギのように、細胞内に涙物質のある食品は細胞がくずれるほど 催涙物質がたくさんでるので、涙が止まらなくなるわけです。又、魚の皮やトマトの皮のように、薄くて柔らかなも のを切れない包丁で切るときには、前後に何回も刃を往復させなければなりません。こうした切り口は鈍い色に なり、照りが消え、鮮度は数段落ちたようにみえます。 しかも、切り口の酸化は早くなり、歯ざわり舌ざわりは 悪く、味も落ちます。 つまり料理にとって包丁の切れ味の良し悪しは決定的ともいえるほど重要な要素なのです。